●洞爺丸台風での大被害から１ヶ月後の昭和２９年１０月２７日付で作成、人的被害の概要を中心にまとめた、国鉄・青函鉄道管理局（当時の呼称か）のきわめて珍しい内部資料冊子。貴重資料といえるか。 ●死亡者／生存者数速報や香花供物料、死亡弔慰金、遺族の宿泊状況、遺留品引取状況、負傷者入院状況、見舞金、救護に要した人員や設備の概況、事故対応臨時事務所の態勢等々、とても生々しい記述ばかりで、心が痛みます。 ●昭和２９年（１９５４年）の台風１５号＝洞爺丸台風は、青函連絡船にも大きな被害をもたらしました。青函連絡船は、青森県の青森港と北海道の函館港を結ぶ重要な交通手段であり、多くの人々が利用していましたが、この台風による連絡船の人的被害は甚大でした。台風の接近に伴い、船舶運航は非常に困難な状況となり、多くの船が港に避難することができなくなり、その結果、乗船していた乗客や船員が台風による高波や風に晒され、非常に多くの犠牲者が出ました。洪水や高波による船の転覆や沈没、船内での避難や救助活動の困難さが人命に深刻な影響を及ぼし、わが国における戦後最悪の海難事故となりました。 ●Ｂ５判、２６ページ。綴じ込み図および別刷図表あり。それなりに汚れやしみ、破れがある、経年なりの状態。いままで世に出たことがない初見資料かもしれないほどの、当時の貴重な冊子か。